【書評】最近読んだ本たち#10
シリーズモノの並列読みってなんだか疲れるな……
エロスの果て:松尾スズキ
日本一チケットが取れない劇団「大人計画」。
2001年初演の近未来SFエロス大作『エロスの果て』戯曲集。
何度もいうが戯曲集はト書きで占められているため、実際の舞台を観ていないと世界観の想像がちょい難しい。
しかしご安心あれ。この公演は現在Youtubeで観覧可能。公式じゃないから消えるかもしれんが……
タイトル通り、エログロを扱った過激な内容であるが怒涛のスピードによる展開であっという間に読了。
松尾スズキ氏はマイノリティに対して罵倒しながら愛を持って表現するから好き。
憑き御寮 よろず建物因縁帳:内藤了
建物にまつわる憑物を題材としたホラーミステリー3作目。
今作はコンセプトど真ん中、王道の建物に巣食う怨霊ですぞ。四百年の歴史をほこる庄屋の倉に潜む女の怨霊。ガチ封印。ガチ取り殺し満載♪
登場するは少女の怨霊なんだけど、承認欲求ゴリゴリのインスタグラマーのようでその生き様は同情よりも「ややこしい女だな!」と印象。こんな怨霊、現代のほうが多そうね。
今回は物理的作用も強力でその場の誰もがやばいと認識できるレベル。
曳家の一派ももはや退魔士に近い活躍ぶり。
幾分残念なのが最後の怨霊のビジュアル化がモンスター系クリーチャーであったところか。急にバイオハザード感が……
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々2 魔海の冒険:リック・リオーダン
ポストハリー・ポッターな児童文学(面白いけど)2作目。
今のところ5巻まで発行されているが、ますますハリポタ感を感じますぞ(面白いんだけど)
海神ポセイドンと人間のハーフであるパーシーに一つ目の怪物キュクロプスの弟がいたというすげぇ展開。
ビッグスリーと呼ばれる神「ゼウス」「ポセイドン」「ハデス」が作る人間とのハーフは強大な力を持つをいわれ、果ては世界大戦を引き起こした。ゆえに大戦以後、子どもを作らないという条約を交わしていたのだが、ポセイドンあっさり破りまくる。そしてポセイドンの子どもってキュクロプスを始め、かなりモンスターなキャラが多いんだけど、この海神のストライクゾーンの広さがただただ怖い。
ギリシャ神話の世界がベースだが結構最初のうちに著名なキャラがけっこう出ちゃってて登場キャラの把握に少し苦戦。
事前にギリシャ神話の登場キャラをモンスター含め予習しておくとかなーり面白いと思う。