【書評】アウトロー:リー・チャイルド
- アドレスホッパー系ミニマリスト
- ご当地ミステリー好き
- トム・クルーズファン
平和なダウンタウンで起きた、ライフル狙撃による無差別殺人。容疑者は6時間後に逮捕された。証拠はこれ以上ないほどに揃っており、誰もが容疑者の有罪を確信していた。だが容疑者は黙し、たった一言だけを発した――「ジャック・リーチャーを呼んでくれ」。全米ベストセラー・シリーズ、待望の最新刊。
2012年にトム・クルーズ主演で映画化されており、そっちを先に鑑賞。映画自体は大ヒットとまではいかなかったが、主人公が魅力的で返す刀で原作を読破する。
映画版は尺の関係上、人物やシーンが省略されアクションが誇張ぎみだったが、チート気味の主人公、陰謀と謎解きミステリー、カーチェイスと昨今の流行りのリアル格闘術と、なかなかボクの好物が詰まった作品。
対して原作はアクションは控えめで、謎解きに比重を置いており、これも一味ちがった味わいでよき。
ただ原作の主人公ジャック・リーチャーは、トム・クルーズのような中肉中背でなく、2m近い身長と140kgの巨漢というチート感がさらに増量されたキャクターなのね。
大柄な人が多いアメリカでもこれは目立つw
隠密行動とかできんわな。
ストーリー上、街のチンピラに絡まれたりするんだけど、これに喧嘩ふっかける方が不自然だわw
まあ、そんなツッコミもあるが、このリーチャーのライフスタイルがカッコイイのよ。
家なし、電話なし、社会保障番号なし、一度姿をくらませば自分から出てこないかぎり絶対に見つけられないという世捨て人のような生活。
もうミニマリストも裸足で逃げ出すようなライフスタイルで、何に対しても執着がほとんどなくカバンすら持っていない。衣服もディスカウントストアで着る分のみ購入し、ずっと着っぱなし。物語が進行するにつれて増えるアイテムも全てポケットにしまい込む。
警察に追われようが、悪党に追われようが、あっという間に何も残さず振り切り、そのチート性で逆に追い詰めていく。
まさに武闘派スナフキン。もしくは旅する必殺仕事人。
ほぼピンチとは無縁なキャラなので、火サスを見るくらいの安心感で読めるよ。
原作はなんと現在までで14作品もあり、今回のアウトローは9作品目。
全てではないが、別の作品の翻訳本もあるので、まったり読み始めようかな。
ひとまず映画版を先に観ても良し。世界観を感じてみて。