【書評】エッセンシャル思考:グレッグ・マキューン
- 多動力ってほんとに正解?
- やっぱミニマム思考
- どうにもやることが多すぎて何事も中途半端になりがち
2014年の『NYタイムズ』『WSJ』ビジネスベストセラー、日本上陸!
ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』著者)
クリス・ギレボー(『1万円起業』著者)
アダム・グラント(『GIVE & TAKE』著者)
他が絶賛する全米ベストセラー、待望の翻訳!Apple、Google、Facebook、Twitterのアドバイザーを務める著者の
99%の無駄を捨て1%に集中する方法とは!?本書で紹介するエッセンシャル思考は、
単なるタイムマネジメントやライフハックの技術ではない。本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、
システマティックな方法論だ。エッセンシャル思考が目指す生き方は、
「より少なく、しかしより良く」。そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になるが、
時代はすでにその方向へ動きだそうとしている。
より少なく、しかしより良く
たくさんのことをいっぺんに処理するマルチタスク、残業すればするほど「頑張っている人」と評価される、古風な職場ではじつは今でも多かったりする。
まさに鬱へのスタートラインたる悪しき習慣なんだけど、ボクも求められれば応じてしまう気質を持ってるんで、今一番気をつけているところ。
この本は、無駄に拡散していた時間とエネルギーをもっと効果的に配分し、成果を上げるための考え方を教えくれる。
優秀な人ほど成功のパラドックスに陥りやすい
- 目標を見定め、成功へと一直線に進む。
- 結果、「頼れる人」という評価を得、どんどん多様な仕事を振られるようになる。
- やることが増えすぎて、時間とエネルギーが拡散。すべてが中途半端になる。
- 本当にやるべきことができなくなる。
まじめで実直な人が陥りやすいパターンかなと… ナニコレ辛い。
こういった状況から脱却するためには、『見極めて、捨てる』という考え方が必要になってくる。
考える時間を取り戻す
見極めるには熟考が必要。そのためには集中せざるを得ない状況(スペース)を作るのが手っ取り早い。
本質目標を決める
最終的な自分のゴールは、明確であればあるほどいい。
そうすることで、目標以外を除外し最短を進むことができる。そして、目標を達成したか否かも明確に判断できる。
本ではこのような例があった。
非営利組織の戦略的経営のビジョンおよびミッション・ステートメントを評価するという授業にて
100以上もの実例を見ていくなかで、壮大だが空虚なステートメントがいか多いかを思い知らされた。たとえば「世界から飢餓を撲滅する」という壮大な理想。わずか5人の組織がそんなことを言っても、リアリティがない。
そんな中途半端な理想主義があふれるなかで、ひとつのステートメントが異彩を放っていた。誰でも即座に理解できて、心を動かされる。そのステートメントを書いたのはちょっと以外な人物だった。俳優で社会起業家のブラッド・ピットだ。
彼はハリケーン・カトリーナに襲われたニューオリンズの復興の遅さに苛立ち、自らメイク・イット・ライト財団を設立した。その目標はこうだ。
「ニューオリンズの下9地区に住む世帯のために、低価格で環境に優しく、災害に強い家を150戸建設する」
とても、具体的で現実味のある目標。だれが見ても理解できるので、達成したか否かの判定も明確。
ブラピほれてまうやろー!
大切なことを知っていれば断ることができる
見極めれば後は、以外のことを切り捨てるという段階に入る。
これはともすれば痛みを伴う行為だが、大切なことを自分の中心に据えていれば乗り越えることのできる問題である。そして自分の思っている以上にそれは実現できる。
肝心なのは、肝心なことを肝心なままにしておくことだ。
例えば身近なものだと「休みの日は家族と過ごす」ということを軸に据えれば、急な飲み会や休みの日に仕事するという行為は断るべきものになる。
自分にとって本当に重要なことはこれだという確信を持つことで家族とより深い絆を得ることができるというわけ。
過去の損失を切り捨てる
切り捨てるには痛みが伴う。その痛みはなんなのか?こういった用語がある。
サンクコスト(理没費用)バイアス
すでにお金を支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出し続ける心理的傾向。
ギャンブル依存もこんな感じよね。最悪のスパイラル…
授かり効果
わざわざ買おうと思わないようなものでも、一旦所有してしまうと失うのが怖くなる気持ち。
もらったちょっと高めの服とか食器とか、所有しているという理由だけで手放すのがもったいないと感じてない?
現状維持バイアス
いつもやっているからという理由でそれをやめられない傾向。
ルーティンは作業効率化という意味では正解かもしれないが、いつまでのそのやり方が合っているかを見直すことも大事よね。
当てはまりすぎて胸が痛い…
ボトルネックを特定する
目指すべきものが決まれば、いったん立ち止まって考えよう。
「これをやりとげるうえで、邪魔になるものは何か?」
ただ闇雲に突き進めばいいというわけではない。
そういったノリも大事だが、全体としてこれを取り除けば他の問題も解決するような障害を見つけよう。
こういったボトルネックを取り除くことで、より最短を走ることができる。
「はやく小さく」始める
目標へ向かうには、2つのアプローチがある。
「早く小さく始める」「大きく遅く始める」
「大きく遅く」というのは、最後の最後ですべてをやりきろうとすること。
「小さく早く」は、早い段階から軽い負担で関わり続けることで、軽い負担で終わらせること。
すぐに5分だけやる。毎日10分だけやる。
わかっていてもなかなかやれないっていうのは、よくわかる。超わかる。
ただその効果もわかっているはず。
シンプルな人生は幸福である
この本の内容は 確かに大きな考え方の変更が必要。
ただシンプリストやミニマリストに目覚めた人には、とても納得できる内容だとも思う。
ビジネスに焦点を当てた自己啓発本だが、ライフスタイル全般に当てはまる思考方法なので、身に付ければ一生ものの恩恵を受けるだろう。