自意識朦朧

Simple Lifeを妄想するライフログ

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【書評】最近読んだ小説#03

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寝る前読書のやすらぎ感パない。

クワイエットルームにようこそ:松尾スズキ

恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常…境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作。

精神病院の閉鎖病棟ってもうそれだけでディープでクレイジーな世界という印象なんですが、松尾スズキ氏の手にかかるとよりクレイジーな領域になります( ̄ー ̄)

文庫で140ページと比較的薄めの本ですが、こってりと松尾ワールドを楽しめます。

 

恥知らずのパープルヘイズ:上遠野浩平

多くの犠牲の末に“ボス"を打ち倒したジョルノたち。だが、彼らと袂を分かったフーゴの物語は終わっていなかった…。
第5部完結の半年後を上遠野浩平が熱筆ッ!さらに書きおろし短編を収録し新装版で登場ッ!!

ジョジョの奇妙な冒険5部『黄金の風』より後日譚を描いたサイドストーリー。

コレに気になってたんよね。ボスとの最終戦直前で離脱したフーゴの後日譚なんですが、あのピーキーなスタンド能力でどう戦闘を描くのか興味津々。実際原作で戦闘したのって1回だけだったしね。

結論から言うとたいそう面白いです。無論原作マンガを事前に読んでおくというのはマストですが、原作では描かれなかったキャラクター同士の関係性や心理描写、そしてスタンド戦の独特の緊張感とかビンビンに伝わります。

というか、あの複雑なスタンド戦を活字で表現できるってそうとうな技術ですな。

 

まとまったお金の唄:松尾スズキ

 太陽の塔ができた1970年の大阪を舞台に、母娘三代、お金に泣かされっぱなしな家族の物語。本作では、著者の新境地として、「学生運動」が語られ、京都大学の大学院出身のウンコな哲学者や、早稲田大学の仏文科出身のチキンな活動家や、フェミニズム運動にのめりこんでいく女性革命家らもカレーに活躍する。
 『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネートされるなど、注目を集める松尾スズキが大人計画の本公演用に書き下ろした、ファン待望の最新作だ。

こちらは小説じゃなくて戯曲集です。

戯曲集って基本的に演者のセリフと簡易な情景描写しかないんで、先に観劇しておかないと頭ン中でビジュアルが作りにくいんだけど、この演目はYoutubeにあったので先に視聴してから読むのがよい。

松尾スズキワールドはワード使いの妙が魅力だから舞台で聞き取りにくかったところも活字で追えるのは便利です。