【書評】最近読んだ本たち#08
最近は自己啓発の本は避けつつ小説の気分。
創作世界への没入感が気持ちいい。
詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE S&Mシリーズ:森博嗣
もうすっかりファンになっちゃったもんで、S&Mシリーズ4作目。
ちょっとネタバレだけど前作では非常に大掛かりなトリックが披露されたが、今作は小ぶりの密室3つ!死者4人!数で来た!
「連続殺人」「密室である必要性」が解決のポイントね。
っていうか主人公の犀川助教授がほとんど現場を見ずに安楽椅子探偵よろしく解決するのが化け物じみてきましたな。
封印再度 WHO INSIDE S&Mシリーズ:森博嗣
S&Mシリーズ5作目。
タイトルは『封印再度』そして英語で『WHO INSIDE』。こんな言葉遊び好き♪
タイトルに準じてすべての章のタイトルが「~の中へ」と密室らしい要素で統一されており、密室トリックも横溝正史的おどろおどろしいエンタメ感あってたいへんよろしい。
ただシリーズが進むにつれ、登場人物の目的のためには手段を選ばないサイコパスっぷりが目立ってきており、もう犯罪スレスレなんだけどw
鬼の蔵 よろず建物因縁帳:内藤了
デザイン会社経営の小説家という異色の肩書、内藤了先生のホラー・ミステリー。
ミステリーといえどホラー要素はかなり強く序盤でかなりちびる。
いわゆる旧家や名家って建物が因縁にまみれてるってのはよく聞く話。まつわる怪談話や伝承がガチってのがこの作品のミソ。
この因縁の原因を解き明かしていくミステリーが魅力的なのよ。
そして最後は犯人を「暴く」そして「祓う」ってのがいい。
日本津々浦々の史跡名所にも実はこんな話があるのだと思うと地元を歩く見方も変わってくるね。