違う そうじゃない『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
公開 | 2014年 |
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制作 | アメリカ |
時間 | 126分 |
監督 | パトリック・ヒューズ |
出演 | シルヴェスター・スタローン/ジェイソン・ステイサム/アントニオ・バンデラス/ウェズリー・スナイプス/メル・ギブソン/ハリソン・フォード |
アクション俳優再生工場スタローン制作のアンサンブル・キャストによるアクション大作第三弾。
新たな出演にアントニオ・バンデラス、ウェズリー・スナイプス、ハリソン・フォード、そして敵役にメル・ギブソンと過去最大に豪華なキャスティング。
とはいえ、このシリーズに出演するビッグネームの役者は「落ち目である」ととられかねない諸刃の剣でもある。
語りたいのはウェズリー・スナイプスのツキの見放され方である。
主に90年代に活躍した演技派俳優であるが、特技の武道を活かしたアクション俳優としての印象が強く、特にはまり役『ブレイド』は鈴木雅之に酷似した風貌でネタにされることも多い。
そんな名優の姿を久しぶりに見たわけだが、なんとも間が悪いというか、いろいろ掴みそこねた感のあるスナイプスが不憫でならないのです。
ツイてないスナイプスその1
『ブレイド』以降あたりから、日本で名を聞く作品がガクッと減り「凋落」の印象がぐっと高まる。
ツイてないスナイプスその2
スタローンとは93年公開の『デモリションマン』で共演。スタローンから『エクスペンダブルズ』一作目の出演を打診されていたが自身の脱税容疑によって刑務所に収監されたため見送り。続く2作目へも出演が叶わず、今作でやっと登場できた。
ツイてないスナイプスその3
作中ではチームの最古参メンバーでスタローンとも旧友という、おいしいポジションでありながら今まで登場しなかった理由を「刑務所に収監されていたから」という実生活とオーバーラップするイジられっぷり。
ツイてないスナイプスその4
おいしいポジションを利用してチームナンバー2あたりに食い込んでくるかと思ったが、すでに前二作でしっかり地盤を固めていた不動のナンバー2、ジェイソン・ステイサムには敵わず。
そこへ持ってきて、他ビッグネームによってその存在もかすみ、いてもいなくてもストーリー上は問題なさそうな中途半端な立ち位置に。事実、予告編にはわずか1カットしか登場しない。
ツイてないスナイプスその5
同シリーズに出演するとその後ちょっとハネる俳優がいるのだが(ドルフ・ラングレンとか)、安定の低空飛行。
そもそも邦題の頭に役者名をつける作品はB級と決まっている。(ウェズリー・スナイプス シールド・フォース -監獄要塞-、ウェズリー・スナイプス コンタクトなど)
いまだ上昇気流をつかめない、そんな不遇のスナイプスに幸あれ。